睡眠外科で扱う睡眠障害としては、疲れているのに夜眠りに入れない不眠症が知られているでしょう。これは入眠障害と呼ばれています。またそれ以外でも不眠症には、中途覚醒や早朝覚醒など睡眠を十分に取ることができない状態を意味します。中途覚醒については、夜中に4回以上目覚めてしまう状態を示し3回までは中途覚醒と認定しない場合も少なくありません。原因は様々ですが、ストレスが原因で脳が休まる時がなく常に緊張状態にあるために不眠症になることもあります。
入浴や運動など生活改善を行うことで、不眠症を克服できる場合もあるでしょう。しかし、大多数の場合は生活改善のみでは不眠症を治すことはできず、睡眠導入剤を用いることになります。薬剤を使用することで大抵の場合は不眠症から逃れることはできますが、睡眠導入剤は依存性が強く服用しないと眠れなくなることが少なくありません。睡眠導入剤が脳へ与える影響が懸念されるという医学的見解もあり、服用は量的制限を定めることが必要です。
睡眠外来が扱う疾病は、上記のような不眠症だけではありません。夜ぐっすり眠ったつもりでも、翌日は日中強い眠気に襲われてしまうナルコレプシーという病もあります。また、睡眠時無呼吸症候群という呼吸器系の異常による睡眠障害もあります。睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠時に呼吸が短時間停止してしまい心筋梗塞など心臓血管系の疾病におかされるリスクを背負うことになります。睡眠時無呼吸症候群は突然死の原因にもなると言われており、適切な治療が必要です。睡眠外来の看護師は患者から十分な聴き取りを行い、医師が診断しやすいように必要な情報を整理しておくことが求められます。